Apple Watchで「不整脈」や「心房細動」の通知が出た方へ
Apple Watchなどのスマートウォッチで
「心房細動の可能性があります」
「不規則な脈拍が検出されました」
と通知が表示され、不安になって受診される方が増えています。
Apple Watchは心拍数や心電図を記録する機能を持ち、不整脈を早期に見つけるきっかけになる可能性があります。
しかし、通知が出ても必ず病気とは限りません。一方で、実際に治療が必要な不整脈が見つかることもあります。
当院では、Apple Watchの記録を参考にしながら心電図検査などを行い、不整脈の有無や治療の必要性を評価します。
Apple Watchで「心房細動」の通知が出た場合
Apple Watchには、不規則な脈拍を検出する機能があります。
この機能については、約42万人が参加した大規模研究「Apple Heart Study」で検証されています。
この研究では、Apple Watchで不規則脈拍通知を受けた人のうち、実際に心房細動が確認された割合は約34%でした。
出典:Turakhia MP, et al. New England Journal of Medicine. 2019.
この結果は、スマートウォッチが不整脈を見つけるきっかけになる可能性を示しています。
ただし、スマートウォッチは診断機器ではなくスクリーニング機器です。
医療機関での検査による確認が必要になります。
Apple Watchの心電図機能はどこまで正確か
Apple Watchには心電図を記録する機能があります。
Apple Watchの心電図と医師の診断を比較した研究では、心房細動の検出精度は次のように報告されています。
感度:約98%
特異度:約99%
出典:Perez MV, et al. Circulation. 2019.
ただし、この心電図は医療機関の12誘導心電図とは異なるため、すべての不整脈を診断できるわけではありません。
心房細動はなぜ注意が必要なのか
心房細動は、脳梗塞の原因になることがある不整脈です。
心房細動がある場合、脳梗塞の発症リスクは約5倍になると報告されています。
出典:Wolf PA, et al. Stroke. 1991.
そのため、心房細動が確認された場合には、抗凝固薬などの脳梗塞予防の治療が必要になることがあります。
Apple Watchで見つかる可能性のある不整脈
スマートウォッチの通知をきっかけに見つかる不整脈には次のようなものがあります。
- 心房細動
- 期外収縮
- 発作性上室頻拍
- 洞性頻脈
- 洞不全症候群
ただし、スマートウォッチだけでは不整脈の種類を診断することはできません。
医療機関での検査が必要になります。
当院で行う検査
Apple Watch外来では、次のような検査を行います。
- 心電図
- ホルター心電図(24時間心電図)
- 血液検査
- 心エコー検査
これらを組み合わせて、不整脈の種類と危険度を評価します。
Apple Watch外来をおすすめする方
次のような方は一度評価を受けることをおすすめします。
- Apple Watchで心房細動の通知が出た
- 不規則な脈拍の通知が出た
- 動悸がある
- 脈が飛ぶ感じがある
- 健康診断で不整脈を指摘された
- 原因不明のめまいや失神がある
症状が軽くても、評価することで安心できることがあります。
Apple Watch以外のスマートウォッチでも相談できます
Apple Watch以外のスマートウォッチの記録も参考になります。
- Garmin
- Fitbit
- Samsung Galaxy Watch
- Pixel Watch
心拍数の異常や不整脈通知がある場合はご相談ください。
受診時に持参していただきたいもの
可能であれば、ご自身のアップルウォッチと連携しているiPhone(心電図データが保存されているもの)
または 記録した心電図波形をプリントアウト をご持参ください。
もし持参できなくても、どのような表示が出たか教えてください。
スマートウォッチと医療
欧州心臓病学会の心房細動ガイドラインでは、ウェアラブル機器による不整脈検出はスクリーニングとして有用である可能性があるとされています。
出典:ESC Guidelines for the diagnosis and management of atrial fibrillation. European Heart Journal. 2020.
ただし、診断には医療機関での評価が必要とされています。
最後に
スマートウォッチは、不整脈を早く見つけるきっかけになる機器です。
通知が出た場合でも慌てる必要はありませんが、放置せず一度確認することが重要です。
Apple Watchなどのスマートウォッチで通知が出た場合や、動悸や脈の乱れが気になる場合は、一度ご相談ください。